堅い話ばかりを書きましたので、これからは気楽な話を書くことにします。
私は短い期間でしたがロス・アンゼルス(以後、LAと書きます)にあるカリフォルニア大学ロス・アンゼルス校(UCLA)に留学していたことがあります。そこで学んだことは別として、外国に行くとその国のことが判るだけではなく日本という国がよく判るものだという体験をしました。
★「控えめが美徳」は日本の文化で、他の国では見られない。
自己主張をしない。目立つことを避ける。人がどう思うかを気にする。このようなことは日本では日常的なことになっています。個性を発揮しにくい民族であるのです。
・アメリカでは高齢女性でも真っ赤な短パン姿で町中を歩く姿を見かけた。日本では「年甲斐もない」という陰口が聞こえそう。でも米国にはそのような陰口を言う人は居ない。誰にも迷惑をかけていないからかまわないのである。
・会議や集会の会場では日本人は前の席には座らない。どちらかといえば後ろの席に座る人が多い。これは日本人だけである。アラブ系の人は真逆で、人をかき分けてでも前に行こうとする。
米国では定年退職すると多くの人はボランティアをする。LAには多くの外国人が滞在している。ホームステイして英語力を付けようという目的で日本から来ている若者が多く居ます。その中に混じって私も英会話を少しでも習得したいとボランティアが開く会話教室に何度か行った。ここでも日本人は後ろの方の席に座る。先生に近い前の席にはイラン、アフガニスタン、イラクなど中東のアラブ圏の人が陣取っているのが常でした。先生がよく口にしたのは「Don’t shy Japanese!」でした。
・控えめは美徳という日本人精神では、外交交渉はうまく行かない。
日本は国連に大金を拠出していながら、ほとんどものが言えていない。中国を見よ。見苦しいくらいに自国の利益を求めた外交をしている。「一帯一路」政策は、金のない国にはお金を貸し、鉄道建設や道路建設、港湾建設を作ってあげるが、その仕事は中国企業が請負い、中国人が現場で建設作業もする。儲けはすべて中国に入り、その国には借金だけが残る仕組みである。スリランカの港湾事業もその典型例である。支払いできないスリランカは中国軍が軍港として使用する権利を渡すことになった。アフリカ諸国でも中国が開発援助をしているが、すべてこのやり方で中国が利益を吸い上げている。アメリカも中国と同様の国である。
安部さんも岸田さんもお金のばらまきをしているが、あまり日本の利益に還元されていない。
インドのモディ首相やトルコのエルドアン大統領の外交も実にずる賢く自国の利益になることやっている。
インドのモディ首相はロシアと仲良くし、戦争中のロシアから大量の原油を安く手に入れている。一方では中国とは国境問題を抱えているので、米国やオーストラリア、日本等と同じ西側とのクワッドにも加わっている。最近はロシアとウクライナの和平に介入するとか言っている。実現はしないだろうが外見だけはいい顔をしているのです。
トルコのエルドアンは、ロシアが黒海を制圧し、ウクライナの小麦の輸出を妨げていた。両国の間に入って小麦の再開できるようにロシアを説得した。しかしウクライナからの輸出小麦の30%余りは、トルコが受け取って儲けているのです。
外交にはずるさが必要で、日本の「控えめが美徳」は通用しない。政治家はもっと「ずる賢く」あるべきと言っている私自身、このようなずる賢しこく自国の利益を追求する外交は「恥ずかしい行為」と受け止めてもいる。私は政治家には適さないようです。